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『恋愛と贅沢と資本主義』を読みました。

      2017/11/26

『恋愛と贅沢と資本主義』を読みました。

『恋愛と贅沢と資本主義』は、多くの美しい女性が出入りし、奢侈(身分を超えた贅沢)が当たり前となった「宮廷」の贅沢や、その贅沢をする文化が社会に広まったことによって、資本主義が発達したという内容です。

後半では、卸売業、小売業、製造業など、業種ごとに、どう「恋愛と贅沢」がその業種の発展につながったのかが記されています。ポイントだけ読みたい場合は、第1章、第2章、第3章と読んだ後で、第5章の四の4まで飛ぶといいです。

『恋愛と贅沢と資本主義』を読んだ感想

本書は、マックス・ウェーバーが資本主義の根元をプロテスタンティズムの禁欲的倫理に求めたのに対し、著者のゾンバルトがその真逆の贅沢に求めた点が面白いのだと思います。

その論理は、以下のようなものです。

美しい女性たちが宮廷内に迎えられるようになり、結婚以外のさまざまな恋愛関係が発展したことで、モテることを目的とした贅沢な文化が誕生しました。資本主義では利益の幅が大きいものか大量生産・販売のどちらかに資本を投資しますが、この時代にはまだ大量生産・販売を行える環境は存在せず、利益の幅が大きい贅沢品の商売に資本が投資され、資本主義が産み落とされました。そして、贅沢品の商売には、流行り廃れがあったり、代金の回収不能があったりと、リスクが大きいため、資本主義的な組織のほうが、手工業よりも適していたと記されています。

ただ、女性美が称えられ、著者が非合法的恋愛(たとえば富裕層や貴族が妾を抱えるなど)と呼ぶものが盛んな時代というのは、いろんな地域のいろんな時期に存在しているような気がするのですが、なぜロココ文化のヨーロッパにおいてだけ資本主義が発展したのかというのは疑問が残ります。

そういった意味では、ゾンバルトのいうような恋愛と贅沢は、資本主義をドライブする要因ではあったものの、根元的な原因ではなかったのではないかなと思います。

恋愛と贅沢と資本主義』についての情報

紹介文

著者はM・ウェーバーと並び称された経済史家である。ウェーバーが資本主義成立の要因をプロテスタンティズムの禁欲的倫理に求めたのに対し、著者は贅沢こそそのひとつと結論づけた。贅沢の背景には女性がいて、贅沢は姦通や蓄妾、売春と深く結びついていたというのである。かくて著者は断ずる。「非合法的恋愛の合法的な子供である奢侈は、資本主義を生み落とすことになった」と。

著者・訳者の情報

ヴェルナー・ゾンバルトは、80年代末から90年代前半に活躍した社会学者で、資本主義などの研究を主としていました。

著書には『近代資本主義』、『戦争と資本主義』、『恋愛と資本主義』などがあります。

マックス・ヴェーバーとともに『社会科学および社会政策雑誌』の編集を行うなど、社会科学の発展に寄与しました。

もともとはマルクス主義者でしたが、後にナチス政権の社会政策を支持する立場に転向しました。

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