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『4つのブランドを立て直した八方塞がりを打破するマーケティング』を読みました。

      2017/11/26

『4つのブランドを立て直した八方塞がりを打破するマーケティング』を読みました。

『4つのブランドを立て直した八方塞がりを打破するマーケティング』は、商品力が弱い、時間がない、お金がない、知名度がない、競合が多い、マーケットがない、売る気がない、失敗続き、といった、マーケターが匙を投げたくなるような場面で、著者がどのような施策を行ってきたかというケーススタディ本です。

『4つのブランドを立て直した八方塞がりを打破するマーケティング』を読んだ感想

八方塞がりを突破するものの考え方とは

上に書いたような八方塞がりな状況を、どのようにして著者である高倉さんが突破してきたかという中で、考え方として、常に身につけておきたいなと思った部分を紹介します。

新しい人を呼ぶ

マーケティング的に言えば「新しいターゲットを開拓する」ということです。

森岡毅さんも『確率思考の戦略論』で、既存の顧客にターゲティングしすぎずに、新しい層を呼び込むことの重要性を書かれていましたが、大きな仕事をするマーケターは、常に新しい層を呼び込むことを考えなければいけないと肝に銘じたいと思います。

さて、新しいターゲットを開拓するためには、新しいターゲットが自社製品を買う理由をつくり、それに合わせて製品に味付けをし、それ全体を新しいムーブメントとしてメディアに取り上げてもらう必要があります。つまり、どこかで行われているマーケティングを引っ張ってきて真似をしても意味がないということです。

高倉さんは、ジバンシィの口紅を売るために、ホワイトデーのお返しギフトとして(1)男性が口紅を買って、女性にプレゼントするという新しい需要をつくり、(2)プレゼントとして使いやすいよう口紅ケースにネームを入れられるようにし、(3)それを日経新聞にも売り込んで紙面で取り上げてもらいました。

商品の用途を変える

そもそもの市場規模がない・需要がないという場合は使い方を変えるという手法が有用です。

たとえば、本書では「赤ちゃん用のフレグランス」という日本には市場がなかったプチサンボンを「ティーン向けの優しいフレグランス」として売り出すだけでヒット商品となった例が書かれています。

この商品を何か他の用途で、誰か他の人が使わないかと常に考えることが大切だと気付かされます。

需給をコントロールする魔術師になる

本書を読んでいて、繰り返し使われているなと思う手法が「プレミア品にする」という手法です。

高倉さんは、サンプルをわざとある店舗でしか配布しなかったり、機嫌までに売り切らなければいけない在庫処分を「●日を過ぎると永遠に手に入らない幻のフレグランス」というふれこみで売り捌いたりと、元がどういう商品かということと無関係に、巧みにプレミア品に仕立て上げていきます。他にも、販売店を絞り込むことで、売れているように見せかけるという手法なども使われています。

これらは全て、需給バランスを上手に再構成することで、八方塞がりを突破した例といえるでしょう。

業界でシェア上位2社以外は八方塞がり

僕が働いていて思うのは、端から見ていて何でも出来そうな大企業に見えても、実際のところ業界シェアで上位2社以外って、売上を伸ばしていこうと思うと、結構八方塞がりだったりするということです。

プライスでは規模の経済を働かせやすい業界一位に負けていたり、比較サイトなどでも業界1位にお客様が流れていったり。一度シェアが固まってしまうと、なかなか普通に戦っても勝てないよねという状態が続きます。

そうした状況を、様々なマーケティング理論で後から説明することはできても、実際に限られた予算とリソースで目の前の状況を変えていくというのは、簡単なことではありません。大多数のマーケターは、業界シェアで上位2社以外の企業に務めていて、既存の理論では「勝てないよね」ということしか証明されない職場で、日々奮闘していることになります。

そういった意味では、本書はひとつひとつの製品にフォーカスして、丁寧にマーケティング戦略を考え、八方塞がりを突破していった貴重なケーススタディが8個紹介されている、勇気を与えてくれる書籍です。特に、個別の方法よりも、それぞれのケースでの考え方からは、学ぶことが多いと思います。

あとがきには以下のように書かれています。

この本でご紹介してきた「八方塞がりを打破する方法」というのは、どんな状況に自分が置かれても「この人なら仕事をお願いしたい」と言われる人になるために必要な、ものの考え方、行動方法とも言えると思います。

家に置いておいて、「もうこの商品はだめだ」と思ったときには、取り出して読み返す。

そんな使い方をしたい一冊です。

『4つのブランドを立て直した八方塞がりを打破するマーケティング』についての情報

紹介文

著者の高倉氏は、これまで5社の日本で苦戦している外資系企業ブランドの再生を行ってきた。「消費者が少ない」「人材がいない」「特徴がない」など、誰でも悩む8つの状況を打破するためのマーケティング方法。

著者・訳者の情報

高倉豊

元・ウブロジャパン代表取締役。

1984年生まれ。自由学園男子最高学部を卒業後、博報堂に入社。5年目より中東&欧州に11年間滞在後、39歳で博報堂を退社。翌年40歳の時、未経験業界の外資系高級化粧品メーカー、パルファム ジバンシイの日本法人トップに抜擢される。以降、イヴ・サンローラン、パルファン、シスレージャパン、タグ・ホイヤー、ウブロジャパンなど、計5社の外資トップを20年間務め、業績を次々と回復させたことから「ブランド再生人」として業界で有名になる。

著書に『口紅は男に売り込め!』がある。

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