株価マルチプルによる企業価値の評価方法
2018/04/14
株価マルチプルによる企業価値の評価方法を解説します。
これらは株式投資家の方であれば、知っている方がほとんどだと思います。
目次
P/E比率(PER)
P/E比率とは、Price-to-Earnings Ratioの略称で、株価の割高割安を見る際に、とても頻繁に利用されます。日本だとPERと呼ばれることが多いです。
P/E比率(PER)の計算式
その名前のとおり、株価が一株あたり純利益(EPS)の何倍かを計算します。
P/E比率(PER) = 株価 / 一株あたり純利益(EPS)
P/E比率(PER)の注意点
PERの弱点は、収益が赤字の企業だと、分母がマイナスになってしまうため、使えないことです。
また、ほとんど純利益を出さずに投資に回すような、Amazonなどのテック企業はPERが非常に高く、またブレが大きくなります。
なので、PERが100倍から80倍になったから割安だとは決して言えないわけです。
P/B比率(PBR)
P/B(PBR)とは、Price-to-Book Ratioの略で、こちらも株価の割高割安を見る際に、比較的利用されます。
企業を解散して負債を返したら、いくら株主の手元に残るのかという考え方が、株価の判断方法として非常にわかりやすいことも、人気の理由だと思います。実際には、解散するときれいに現金化できるわけではないので注意が必要です。
初期のバリュー投資家はPBRを利用しており、ウォーレン・バフェットも過小評価されている企業を発掘するのに活用していたようです。バフェットは、その後、DCF法に基づく企業価値評価に移っています。
P/B比率(PBR)の計算式
P/B比率(PBR)は、以下の式で表されます。
P/B比率(PBR)= 株価 / 1株あたり株主純資産簿価
P/B比率(PBR)の注意点
PBRを用いて、企業の割安度を見る場合には、バランスシートの中身を細かくチェックすることが大切です。
例えば企業買収時ののれんが計上されていたり、ソフトウェアが資産計上されている可能性があるからです。こうした資産は、いきなり減損する場合などがありますので、注意が必要です。
配当利回り
配当利回りも、その分かりやすさから、好んで用いられる株価評価方法のひとつです。
配当利回りの計算式
配当利回りは、以下の式で表されます。
配当利回り = 一株あたり配当(DPS) / 株価
配当利回りの注意点
配当利回りの注意点は、当期の配当だけを見ないことです。
その配当利回りが一時的なものなのか、あるいは今後も継続可能なものなのかを、過去の配当の歴史を遡って調べることが大切です。