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フリーキャッシュフローモデルによる企業価値評価の方法(DCF法)

      2017/11/26

フリーキャッシュフローモデル(FCF)における価値評価の方法(DCF法)を説明します。

フリーキャッシュフローモデルとは

フリーキャッシュフローモデルとは、毎年企業が生み出すフリーキャッシュフローの額をもとに企業の価値を評価するモデルです。

企業が配当を払っていなかったり、フリーキャッシュフローに対してあまりに配当が少なかったりする場合は、配当割引モデルによって企業価値を評価することが難しくなるため、フリーキャッシュフローモデルを用いることが有用です。

フリーキャッシュフローモデルの数式

基本的には、フリーキャッシュフロー(FCF)を分子に持って来るだけで、後は配当割引モデルと変わりません。

P = FCF[1]/(1+r) + FCF[2]/(1+r)^2 + FCF[3]/(1+r)^3 + … + FCF[n]/(1+r)^n

この数式の整理については、前回の配当割引モデルと同様のため割愛しますが、最終的には以下の式で表せます。

P = FCF[1] / (r – g)

配当割引モデルとの違いは、フリーキャッシュフローの場合は、配当と違って、いくつか種類がある点です。

たとえば、企業フリーキャッシュフロー(Free Cash Flow to Firm)と株主フリーキャッシュフロー(Free Cash Flow to Equity)があります。

企業フリーキャッシュフロー(FCFF)の計算

FCFFは、その事業がどれだけのキャッシュフローを生み出すことができる資産と見なせるのかという考え方をします。

そのため、純利益から計算する場合には、支払い金利を足し戻してあげます。

FCFFは、以下の式で表せます。

FCFF = 当期純利益 + 減価償却 + {支払金利 × (1 - 実効税率)} - 設備投資額 - 運転資金

WACC(加重平均調達コスト)

さて、企業全体の事業資産価値 = FCFF[1] /(r – g)とした場合、妥当と思われる価格の算定においては、一般的に、rにはWACC(加重平均調達コスト)を使います。

WACCは、株主資本コストと負債コストを加重平均することで求められます。

計算式は以下の通りです。

WACC = {株主資本コスト × 株主資本の額 / 総資産の額 ] + {支払金利 × (1 - 実行税率) × 有利子負債の額 / 総資産の額]

株主キャッシュフロー(FCFE)の計算

続いて、FCFEを見てみます。

FCFEは、株主資本にとってのフリーキャッシュフローです。

そのため、FCFFから借入元本の返済額と支払い金利を引き、新規借入を加えます。

FCFEは、以下の式で表せます。

FCFE = FCFF - 借入元本の返済額 - {支払金利 ×(1 - 実効税率)} + 新規借入額

純利益から計算するパターンも記載しておきます。

支払金利部分が相殺されるので、

FCFE = 当期純利益 + 減価償却費 - 設備投資額 - 運転資金 - 借入元本の返済額 + 新規借入額

となります。

オーナー利益

ウォーレン・バフェットは、厳密にフリーキャッシュフローを計算せずに、オーナー利益という概念を用いているので、紹介しておきます。

オーナー利益 = 当期純利益 + 減価償却費 - 設備投資額 - 運転資金

また、割引率としては30年物の米国債金利を用い、ゼロ金利の状況など、金利が低すぎる場合は10%で割り引いているようです。

企業価値 = オーナー利益 / (30年米国債の金利 もしくは 10% - 成長率)

バフェットは企業価値を暗算していることが知られており、投資家としてざっくりと株価の高い安いを見る分には、十分なのかなと思います。

バリュエーションの理論と実践

もっと丁寧に学びたい場合は、マッキンゼーから以下のような本が出ています。

 - 企業価値評価