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マイケル・ポーターのファイブフォース分析

      2017/11/26

マイケル・ポーターのファイブフォース分析についてのまとめメモです。

マイケル・ポーターのファイブフォース分析とは

業界の構造や競争状況は、利益率などに大きな影響を与えます。マイケル・ポーターのファイブフォース分析は業界の状況を理解する上で便利な手法です。

ファイブフォース分析では、主に以下の5つの点を検討します。

既存競合業者間の敵対関係、新規参入の脅威、代替品の脅威、製品の買い手の交渉力、原材料の売り手の交渉力。

既存競合業者間の敵対関係

競合会社の数

競合業者が多いと、値下げなどの競争が激化します。競合が少ない市場ほど、競争は緩やかです。

また、上位の企業がどれだけ市場を寡占・独占しているかも、競争の激しさに影響を与えます。

たとえば上位5社がシェアを20%程度ずつもって競っている場合と、上位1社が70%程度を持ち、残りの4社が30%を分け合っている場合では、競争の激しさが違います。前者の場合は、競争は激しくなり、後者の場合はリーダー企業が価格形成におけるリーダーシップを持つため、価格が高止まりしやすくなります。

固定費

固定費が高い業界は、価格競争が激しくなりがちだと言われています。

これは、少しでも受注を増やして、稼働率をあげようというインセンティブが働くためです。

成長の鈍さ

市場がどんどん大きくなっている時期は、すべての企業が市場拡大の恩恵を受けます。

しかし、市場の成長が鈍化しはじめると、シェアの奪い合いが激しさを増すため、競争が激化します。

差別化の難しさ

商品やブランド毎の違いが出しやすい業界や商品であれば、付加価値の競争になりやすいのですが、コモディティに近い商品であるほど、価格競争に陥りやすくなります。

戦略的重要性

戦略上、シェアを確保することが必要な業界であれば、価格競争は激しさを増します。

新規参入の脅威

参入障壁と撤退障壁

参入障壁が高いと、当然ながら競争は緩やかになります。

参入障壁には、技術的な面の他に、規模の経済が働くことや、規制業種であること、大きな資本投下が最初に必要なこと、儲かるまでの期間が長く体力が必要なこと等がありえます。

また、撤退障壁が低いと、あらら勝てそうにないなと気付いた企業がどんどん撤退していくため、競争は緩やかになります。撤退障壁が高いと、過剰な設備が解消されないため、低収益の過当競争が続きます。

規模の経済

固定費率が高く、変動費率が低い場合、たとえば工場への大規模な投資が必要だけれど、原材料費は安いといった場合には、規模が大きくなればなるほど、利益率が上がっていきます。

これが規模の経済であり、規模の経済が働く業界においては、後発で大きなシェアを取るのは難しいため、新規参入はしづらくなります。

大きな投下資本の必要性

大きな資本を投下しないと始められないビジネスの場合には、新規参入が難しくなります。

鉄道事業などが良い例だと思います。

ブランド力

炭酸飲料業界のコカコーラなどのように、その業界において、圧倒的なブランド力を持つ既存企業がいる場合には、新規参入が難しくなります。

スイッチングコスト

スイッチングコストというのは、消費者が新しい商品やブランドに移るのがどのくらい容易かということです。

たとえばハンバーガー好きな消費者が、マクドナルドからモスバーガーに移るのはスイッチングコストが高いとは言えないでしょう。

一方で、使い慣れたiPhoneからアンドロイド端末に変えたりするのは、人にもよりますがスイッチングコストはもう少し高いでしょう。家の住宅ローンなんかも、一度組むと、安い金利に借りかえられる場合でも、手続きなどが面倒でスイッチングコストが高いでしょう。

スイッチングコストが高いと、新しい業者が参入しても、消費者が移ってきづらいため、新規参入が難しくなります。

流通チャンネル

冷凍食品などのように、流通網を築く必要がある事業は参入障壁が高くなります。

一般的な商品を扱うEC事業などは、AmazonPrimeやアスクルのように、当日や翌日配達と配達スピードが上がっており、素晴らしい流通網を持っていないと、同様のユーザー体験を提供するのが難しくなっています。

政府のポリシー

テレビ放送など、政府の許認可が必要な業種は、誰でも始められるわけではないため、参入障壁が高いといえます。

代替品の脅威

フィルムカメラがデジタルカメラに移り変わるなど、現在の商品よりも優れたものが出てくると脅威になります。

長期的に消滅していく市場かどうかを考える際に役に立つ観点です。

買い手の競争力

買い手が競争力を持っている場合には、売り手は値下げを強いられることもあり、価格が下がりやすくなります。

買い手の集中度合いとボリューム

買い手が1社で、その会社がめちゃくちゃたくさん買ってくれる場合、売り手はそこにたくさん買ってもらわなければいけないため、買い手市場となり、価格が下がりやすくなります。

買い手が5社あり、それぞれが20%ずつくらいの購買量を持っている場合は、他のところに売ることもできるため、前の例よりは売り手が強くなります。

標準化とスイッチングコスト

部品などが標準化されており、スイッチングコストが低い場合は、買い手が強くなります。

たとえばCD-Rは、どこの会社が出しているCD-Rを買っても、パソコンで焼いて、CDプレイヤーで楽しむことができます。これは標準化されているためにスイッチングコストが低い例です。

買い手側のコストに占める割合

買い手が300円で売る製品のうち、250円を占める原材料があったとしたら、なんとかその仕入れ値を下げられないかと考えるでしょう。

買い手側のコストに占める割合が大きいと、価格交渉が激しくなり、売り手の値下げ要因となります。

買い手の収益力

買い手が収益を十分にあげられていない場合には、買い手の交渉態度は厳しいものになります。

売り手の交渉力

売り手の集中度合い

売り手が少ない場合は、売り手市場となるため、価格を上げやすくなります。

電力自由化前の東電などをイメージすると分かりやすいです。

競争優位を確立する3つの方法

コスト・リーダーシップ戦略

コスト・リーダーシップ戦略とは、シェアを取る→規模の経済を働かせることで商品を競合他社よりも値下げする→シェアを伸ばすのループで、業界最安値の維持によって競争に勝つ戦略です。

ウォルマートの”Everyday Low Price”という戦略はまさしくその例であり、Amazonのジェフ・ベゾスもその戦略に大いに感銘を受けたといいます。

コスト・リーダーシップ戦略を取るうえでは、思い切って顧客サービスを削ることも考えます。たとえば飛行機で機内食を出さない、ガソリンスタンドでセルフでガソリンを入れてもらう、オンライン証券で顧客毎の営業マンはつけない等です。

差別化戦略

ブランドを構築したり、他社には真似のできない技術力や流通網などのインフラを築くことで、競争に勝つ戦略です。

コカ・コーラやP&Gなどはブランド構築にかなり力を入れています。

集中戦略

狙うセグメントをさらに細かく切って、そのセグメントにリソースを集中することで競争に勝つ戦略です。

たとえば食洗機からセグメントをさらに切って、ホテル向けの大型食洗機に特化する等のアイデアが考えられます。

ただし、過剰にセグメントを細かく切ったところに、過剰にリソースを投入して、機会を損失していないかは注意が必要です。そこらへんは、以下の本を読むと参考になります。

マイケル・ポーターの競争戦略を学ぶ

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