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株式会社じげんの決算説明資料に学ぶ、問い合わせ課金サービスの伸ばし方

      2018/04/14

株式会社じげんの決算説明資料を眺めていたら、どうしてココまで説明してくれるのかというくらいのレベルで、すごく分かりやすくて学びが多かったので、整理してみたいと思います。

問い合わせ課金というビジネスモデル

まずは、じげんが現在どのようなビジネスモデルかということを整理しておきます。

(といいながら、決算説明資料からベタ張りします。笑)

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簡単に説明します。

まず、アルバイトを採用したいマンダイ株式会社があり、とある求人メディアのTワークに採用課金(ひとり採用できたら5万円払いますね~)でバイトの求人を出したとします。じげんのアルバイトEXは、このTワークからマンダイ株式会社の求人案件を仕入れてきて、アルバイトEXに掲載します。そして、アルバイトを探しているAさんが、じげんのアルバイトEXにやってきて、この案件に応募したときに、じげんがTワークからお金を貰う(一件の応募を送ったので5,000円くださ~い)というビジネスモデルです。ウェブサイト的には成約課金と似ていますが、中身は全然違うので、KPI改善施策を見ていく上で、その点には注意が必要です。

そこから、さらにバリューチェーンの上流下流を抑えて、領域を展開するために、クライアントメディアのREJOBなどを買収しています。

KPIはUU数、CVR、CVあたり単価

続いて、じげんのビジネスモデルの売上を因数分解しましょう。

(またまた、決算資料からベタ張りします。笑)

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売上 = UU数 × CVR × コンバージョンあたり単価

頭に叩き込んでおきたい式ですね。

100人がアルバイトを探しにきて(UU数)、5%が応募した(CVR)、一回の応募あたり5,000円課金できた。

売上 = 100人 × 5% × 5,000円 = 25,000円というわけです。

綺麗に掛け算で分解されているので、それぞれ注力すれば、そのままダイレクトに売上が伸びます。200人呼べれば売上は50,000円。10%が応募すれば売上は50,000円。一回の応募あたり10,000円課金できれば50,000円。

こうやって分解しておくと、広告でユーザーを集めるときにも便利です。たとえば、CVR5%、CVあたり単価5,000円なら、100人呼んでくると25,000円の売上が立つので、1ユーザーあたり25円の売上が立つという前提に基づいて広告を打つことができます。

KPIを改善する施策

続いて、それぞれのKPIをあげるためにどんな施策をしているのかを、ざっくりと整理してみます。

UU数を増やす施策

まずは集客部分のUU数です。

先ほどの資料で、実は飛ばしていたKPIにDB数というのがあります。決算説明資料では、このDB数がUU数に寄与すると書かれています。

その意味するところは、以下の通りです。

たとえばアルバイトEXであれば、クライアントメディアから問い合わせ課金の案件(イベントスタッフ募集!10,000円/日!)を仕入れてきます。そして、その仕入れた案件をアルバイトEXに掲載します。

そうするとページが増えて、検索に引っかかりやすくなるので、検索流入が増えるというわけです。

以下、SimilarWebで見た、アルバイトEXのUU流入元の割合を貼っておきます。

参考程度に、fromAは52%、タウンワークは54%、anは41%が検索エンジン経由の流入でした。ということで、アルバイト紹介サービスであれば、UUの約40~55%程度が検索流入経由ですので、決算説明資料の通り、DB数は非常に重要であるといえます。このDB数を稼ぐために、営業マンが個別に求人案件を取ってくるのではなく、クライアントメディアからガサっと仕入れてくるところに、じげんのビジネスの面白さとスケール性があるのかなと思いました。

また、集客面ではもう一つ、注目の施策があります。スマホアプリです。

以下のスライドでは、アルバイトEXのアプリDL数が前四半期比率で513.5%も伸びているのが分かります。

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スマートフォンから、アルバイトEXのページを開くと分かりますが、ウェブサイトの最上部にアプリのダウンロード導線が設置されており、ダウンロードを促されます。一度ダウンロードしてもらえば、短期のバイトなどを探す際に、スマホアプリを起動して再度アルバイトEXを使ってもらえるので、リピーターが増え、UU数が増加します。

CVRをあげる施策

続いて、コンバージョン率に関する施策を見てみます。

じげんは、なんと丁寧にいろんな施策まで決算説明資料に散りばめてくれています。いくつか拾ってみると、サイト内の検索ロジックの改善、導線改善、スマホ移行など。

アルバイトEXをいじってみてたのですが、導線面では、たとえばバイト検索時に余計な掛け合わせをたくさん選ばせずに、地域検索なら地域選ぶだけで案件がバッと並ぶようになっています。

また詳細を見なくても、求人内容一覧の画面で中身が分かりやすく表示されていて、応募ボタンが目立っています。

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スモッカという賃貸物件サイトでは、CVRが前年同期比で+183%ということで、驚異的です。

コンバージョン単価をあげる施策

最後に、コンバージョン単価をあげる施策です。

決算説明資料では、まず、高単価商材への送客強化、クライアントメディアへの交渉というのがあげられています。

それから、アルバイトEXなどを見ていると分かりますが、一括応募機能というのがあります。

「この案件に応募してる人は、こんなのにも応募してます。同時に一括応募してみませんか!」という形ですね。これは問い合わせ課金ならではの施策で、コンバージョン単価の向上にめちゃくちゃ貢献すると思われます。決算説明資料で書かれているマッチング精度向上というのも、このことだと考えられます。

(アルバイトEXの一括応募機能)

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(スモッカの一括応募機能)

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どの時期に、どのKPIに取り組むのか

さて、3つのKPIで運営されていること、それぞれでどんな施策を行っているかは、何となく分かりましたが、それではどの時期に、どのKPIに注力すればよいのでしょう。

じげんの決算説明資料は、なんとめちゃくちゃ丁寧に、そんなとこまで説明してくれています。

答えは、繁忙期にはUU数(集客)に集中、非繁忙期にはCVRとコンバージョン単価の向上に取り組むというものです。

アルバイトであれば6月7月なんかは新しくバイトを探す人も少ないでしょうから、そういう時期はCVRやコンバージョン単価を上げるような、ウェブサイト改善に力を入れて、みんながアルバイトを探す時期には広告などを展開して、改善しておいたウェブサイトにたくさんの人を集客するということですね。

まとめ

まとめます。

・問い合わせ課金のサービスであれば、KPIはUU数、CVR、コンバージョンあたり単価になる。

・UU数は案件をたくさん仕入れて、ページ数を増やす。スマホアプリをDLしてもらってリピーターを増やす。

・CVRは検索ロジックや導線改善等をする。

・コンバージョンあたり単価は、一括応募機能とそのマッチング精度の向上に加え、より高単価な案件への送客、クライアントメディアへの単価交渉をする。

ということでした。

 

全然関係ないのですが、決算説明資料を最近読んでる背景に、柴田 尚樹さんのnoteがめちゃくちゃ面白いかったからというのがあります。おすすめです。

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